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VISUAL ROCKETS −今日のアメコミ−

STILL TALKIN' ABOUT COMICS

THE NEW TEEN TITANS VOL.1 (DC, 1980-82)

 名作だから面白いのではなく、面白いから名作。


原書合本版(楽天)(Amazonは下に): New Teen Titans Vol. 1 [ Marv Wolfman ]

 長年Batmanの相棒を務めてきたティーン・ヒーローであると同時に多感な年頃の青年でもあるDick Grayson a.k.a Robin。大学中退を機にBatmanとの関係がギクシャクする中、ある時を境に彼は解散したはずのTeen Titansが活躍する不思議な夢を見るようになる。CyborgやStarfireといった見たこともないメンバーと自らが並び立つその夢に困惑する彼の前に、しばらくして姿を現したのはこれまた夢に登場したのと同じ姿の不気味な少女Raven。彼女に導かれて新たな戦いの舞台へやってきたDickは新たな仲間たちとかつてなく強大な敵に立ち向かう。
 ここに全く新しいTeen Titansが誕生する!

 冒険活劇とソープオペラのバランスは申し分ないし、ハラハラさせつつもヒーロー達が活躍する姿には安心感がある。伝統芸能としてのスーパーヒーロー物という意味では非の打ち所がないかと。Rebirthからも似た匂いがする辺り、古くからのファンを引きつけるのはこういうところなんだろうなと実感。
 メイン・クリエイターはCRISIS ON INFINITE EARTHSなんかでもお馴染みライターのMarv WolfmanとアーティストのGeorge Perez。本巻だとPerezはレイアウトとざっくりしたアートだけを担当し残りはFinisherと呼ばれる別の役職(こんなの初めて目にしたわい)のアーティストに任せることもあったみたい。

 本巻ではTrigonの侵攻を食い止めようと奔走するRavenに集められたRobinらティーンヒーロー達が、チームとして力を合わせて戦うようになるまでの変遷が描かれる。個人的にはTeen TitansがTrigonみたいな次元規模の敵と戦う際には「Justice Leagueは何しとんじゃい」と思わなくもなかったのでその辺り(部分的にではあるが)しっかり布石を打ってくれたのが好印象だった。同時に、これまであくまでJustice Leagueの二軍三軍という扱いでしかなかったTeen Titansというチームをこれに匹敵するスケールにまで持ち上げたという意味では革新的と言えるかもしれない。

 やもすれば神話に登場する存在のように描かれるJLと違い、Titansのようなティーンヒーローの醍醐味は思春期の彼らならではの葛藤と、それを乗り越えて力を合わせる際のカタルシスだろう。ティーネイジャーによって構成されるスーパーヒーローチームというのはそれなりの数存在する一方で、生まれや境遇などが全くばらばらな者達がこうして一同に介するチームというのは案外見当たらない(一番近いのがMarvelのRUNAWAYSとかだろうか)。
 だからこそ年齢層と志を同じくすること意外に共通点のない彼らが徐々に結びついていくさまはオリジナリティに満ちていると共に、読者の共感を呼ぶのだろう。
 
 80年代の作品としてはキャラクターの掘り下げ方が他とは一線を画している本作は紛うことなき名作であることは勿論、絶対に面白い作品でもあることは間違いない。


原書合本版(Amazon): New Teen Titans Vol. 1