VISUAL ROCKETS −今日のアメコミ−

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SUPERBOY: THE NEW ADVENTURES OF PSIONIC LAD & THE SUPERBOY / KID FLASH RACE (DC, 2011, #3-5)

 同じ”S”を胸に掲げている。 — でも彼は彼だ。


本記事で紹介した内容含む原書合本版(楽天)(Amazonは下に掲載): Superboy: Smallville Attacks SUPERBOY SUPERBOY SMALLVILL (Superboy) [ Jeff Lemire ]

 Smallville で起こる不可解な事件は自分が原因ではないかと思い悩む Conner Kent a.k.a Superboy 。自分の正体を知った同級生で天才発明家のSimonや、自らの片親とも言うべき Lex Luthor の姪っ子(つまり自分のいとこ?)で同じく同級生の Lori との距離にも戸惑う中、学校中で人々が昏倒するという謎の事件が発生する。やがて廊下に開いた”穴”から出現した人物は……?(『THE NEW ADVENTURES OF PSIONIC LAD』)
  Parasite らの侵攻により被害を受けた Smallville の復興を何とかして援助しようと Conner は親友で Teen Titans のメンバーである Bart Allen を誘い、 Superboy と Kid Flash によるチャリティーレースを開催する。(『THE SUPERBOY / KID FLASH』)

 引き続き復活した Superboy の Smallville における活躍を描いた、ライター Jeff Lemire とアーティスト Pier Gallo によるシリーズ。今回は未来からやって来た Psionic Lad なる Legion of Super Heroes を思わせる新キャラの登場や、 Superboy と Kid Flash による世界レースなど、 Superman との繋がりを意識させる展開が続く感じ。とは言うものの Superman が作中に姿を見せることもほぼなければ、事件の規模はあくまで Smallville 内に収めたり、本作のみの新キャラを登場させたりと適度に距離を保とうとしている様子が見て取れる。

  DC が Marvel と大きく異なる点の1つとして、用意されている場所の多さが挙げられる。 Marvel のヒーロー達は基本として NY を拠点としており、彼らの活躍もその市街あるいは近隣に限定されがちだが、一方の DC はと言えば Metropolis があり Gotham があり Smallville があり……と活躍の舞台が広範囲に及んでいる。
  NY 自体がアメリカという国の縮図みたいなところがあるため Marvel のやり方もそれはそれで成立するのだろうが、100も200もヒーローやヴィランを抱えているビッグ2の世界観で大小問わず起こる事件のほぼ全てを1つの街で展開させるのは若干窮屈だ。本作も Conner の冒険を Superman と同じく Metropolis で行わせていたらその規模の大きさなどから少々物足りなさを感じていただろう。矛盾も生じていたに違いない。何より、 Superboy が Superman の陰から突出する余地がない。本作は Superman の存在を感じさせつつも彼が常駐しているわけではない Smallville だからこそ”Conner Kent の冒険”として成り立っているフシがある。
 そう考えてみると、 DC には Robin がおり Teen Titans がおり、サイドキック達もそれなりのキャラクターを確立しているものの、 Marvel だとそういった存在は少ない気がしないでもない。
 案外、その原因の一端は舞台を NY に限定していることにあるのかもしれない。


原書合本版(上記商品と同一のもの)(Amazon): Superboy Vol. 1: Smallville Attacks