VISUAL BULLETS −今日のアメコミ−

STILL TALKIN' ABOUT COMICS

SWAMP THING VOL.2: FAMILY TREE (DC, 2012, #0, 8-12, Annual #1)

 腐れ!腐れ!全て腐れ!


原書合本版(楽天): Family Tree SWAMP THING BK02 FAMILY TREE (Swamp Thing) [ Scott Snyder ]

 ”樹の評議会”の助けを借り、遂に緑を司る戦士 Swamp Thing として覚醒した Alec Holland 。死の化身 Rot が着実に世界を覆い尽くそうとする中、彼はその内部に取り込まれた恋人 Abby Arcaneを救出しようと立ち向かう。 Rot を率いる Sethe と激しい戦闘を繰り広げる Alec — しかし、それは来るべき悪夢の布石でしかなかった。最凶の敵が遂に復活する!

 なんか見出しの書き方だと受けとか攻めとかそういう方向の連想してしまいそう……。

 えー、それはともかく第1巻からだいぶ間は空きましたが、 Scott Snyder 、 Yanick Paquette 、 Marco Rudy らによるホラー・ヒーロー Swamp Thing の活躍を描く第2章( ST に関して言えば”ヒーロー”という呼称を使っても間違いではないかと)。

 初読時の感想は「あ、これリアルタイムにフロッピーで追いかけときゃ良かった」という若干の後悔(だってこの頃はまだ Snyder のことなんてほとんど知らなかったし……)。やっぱり月刊誌であることを念頭に置いた作品と、合本になることを見越して制作された作品とではペース配分などの点でかなり差が生じてくる。本シリーズは間違いなく前者。
 とりわけ今回は#0とか Anuual #1とかで時系列もあちこち飛び交うことに併せてアーティストもコロコロ変わってしまうこともあり、合本で一気読みするとちょっとイメージが混ざり合って統一感のない印象を受ける。 Francesco Francavilla や Becky Cloonan のアートが良いのはわかるものの、こうコロコロと変えられると少し目にきつい。
 ただ、それを踏まえた上でアートに関していくつか言及すると、まずレギュラーである Paquette と Rudy は相変わらずおどろおどろしくも芸術的な絵柄がとても良い。この2人、号ごとに交代するどころか時には同じ号の中でページを分業するようなこともあるのだけれど、その移行に全く違和感を抱かせない。ぶっちゃけ、私はクレジット見るまで全く気づきませんでした。ここまでアートを磨り合わせられるのも1つの業といえる。
 あと、先にも挙げたゲスト・アーティストの Becky Cloonan 。 Annual で彼女の描く少女 Abby が個人的にガッツポーズ級の好みでした。このちょっとふくよかな感じに三つ編みのおさげがとてつもなくカワイイ。一度、彼女に高校時代の Mary Jane とか是非描いてみて欲しいっす。

 さて、いよいよ宿敵である”彼”も復活して Rot との全面戦争となる様相を呈してきた本作。次巻で一応 Snyder/Paquette/Rudy によるランは1段落するものの、 Jeff Lemire の Animal Man とのクロス・オーバーでもあるとか。 AM をノータッチの私にこの完結編が楽しめるか若干不安要素がないではないものの、まあまずは読んでみたいと思います。


原書合本版(上記と同じ商品)(Amazon): Swamp Thing Vol. 2: Family Tree (The New 52)