VISUAL BULLETS −今日のアメコミ−

STILL TALKIN' ABOUT COMICS

RUNAWAYS: EAST COAST / WEST COAST (Marvel, 2005-06, #9-12)

 マスクも付けない、ユニフォームも着ない、コードネームさえ使わない。
 素顔を見せたって、どうせ大人はわかってくれない。


分冊キンドル版(Amazon): Runaways (2005-2008) #9

 スーパーヴィランである親元から逃げ出した子供達 Runaways 。新たにメンバー入りした Victor がチームに溶け込む一方、 Gavin と共に宇宙へ発った Karolina がいなくなってしまったことによる心の穴に思い悩む Nico 。そんな中、以前彼らと対峙したことのある Cloak が彼らの隠れ家へ姿を現す。相棒の Dagger を襲撃し、その罪を自分になすりつけた人物を突き止めるのに協力して欲しいという彼。チームは求めに応じ、スーパーヒーローの聖地、 NY の摩天楼へ出かけることを決める。

 これまで主に San Francisco を舞台にしてきたRunawaysの面々が遂に Marvel ユニバースの本場へ。ゲスト出演はあらすじにある通り Cloak&Dagger の2人(彼らも今度実写ドラマ化するんだっけか)、それに New Avengers の面々。彼らのタイツ成分でいつにも増してアートがカラフルになっていたり。 Dagger の襲撃犯を探すのがメインイベントですが、ぶっちゃけ今回の話でメンバーが遭遇するトラブルの大半は Avengers との押し引きです。

 そもそもヴィランである親達に反抗して家出したという原点を持つ彼らが主役の本シリーズでは、基本的に大人はろくな扱いを受けない。 Captain America は常に自分が正しいように振る舞い、周囲は自身に追随するのが当然といった態度を取るし(まあぶっちゃけクロス・オーバー時の Cap はほぼ常にこんな感じだけど)、 Spider−Woman や Luke Cage といった者達も頑固で融通の効かない典型的な大人として登場する。テレビの中ではキラキラしていた芸能人が実際に会ってみたら大したことなかった時の感覚に似ているかも(というか Molly と Wolverine の邂逅は完全にこれ)。他方、 Avengers の中ではおそらく最年少であり Runaways と比較的年齢が近い Spider-man はかなり良識的な大人というか理解あるあんちゃんとして描かれていたり。
 この「子供の視点から見た大人」描写を鬱陶しく感じる方は今回の話をストレートに楽しめないかも。逆に既存のヒーロー達に対して反抗期を迎えてて「ふん、 Deadpool の方が格好いいぜ」という人は結構いけるか。 Avengers がいまいちな私はそこそこ。

 勿論、ゲスト出演のオンパレードと話が終わるわけではなく、チームの中でも色々と動きが見られる。前回の終わりで Karolina が旅立ったことから未だ立ち直りきれずにいる Nico が(案の定)かなり情緒不安定になったり、 Chase のちょっと暗い過去が明らかになったり。今回この2人の間で起こったことは今後絶対尾を引きそうだし……頼むから惚れた腫れたの昼ドラ展開はやめてくれぃ。


分冊キンドル版(Amazon): Runaways (2005-2008) #10


分冊キンドル版(Amazon): Runaways (2005-2008) #11


分冊キンドル版(Amazon): Runaways (2005-2008) #12


本記事で紹介した内容含む原書合本版(Amazon): Runaways Vol. 5: Escape to New York