VISUAL BULLETS −今日のアメコミ−

STILL TALKIN' ABOUT COMICS

HARBINGER VOL.2: RENEGADES (VALIANT, 2012-13, #6-10)

 人によっては一番楽しい仲間集めのチャプター。


Harbinger (2012- ) #6: Digital Exclusives Edition

 本性を露わにした Toyo Harada と袂を分かった Psionic の Peter Stanchek 。飛翔能力を手に入れた Faith と共にひとまず危険を逃れた彼は故郷の街へ戻ると、以前自分勝手に意思を捻じ曲げてしまった Kris に謝罪する。そんな Kris は自らもまた Harada の手先に監視されていると知ると、 Peter に対して仲間を集め反撃に出ることを提案するが……。

 引き続き Valiant ユニバースの X-MEN とも謳われる若き特殊能力者 Psionics 達同士のぶつかり合いを描いた本作。前巻で地上最強の能力者である Toyo Harada との対立が決定的となった Peter はいよいよ今回から反撃の準備を進め、全米各地でパイロキネシスの Charlene Dupre や強靭な肉体の精神プロジェクションを生み出す John Torkelson など仲間を集め始める。

当初は前巻で出番が終わりかと思われていた Kris が再登場するどころか Peter にとってのモラル・コンパス化するような展開を始め、予想外とまでは言わないものの、その斜め上を行くようなことが次から次へと起こるため、さくさくと読み進めることができる

 前回の記事で本作はは悪の Professor X とそれに抗う Jean Grey の物語だと言ったが、元々は Harada に不適格と見做され能力者養成施設へ招かれなかったというこれらの他のメンバーを考えると、むしろ Brotherhood of evil Mutants の視点から描いた X-MEN とでも言った方が正しいかも。

 そして Faith 。今回も大活躍のぽっちゃり系オタク女子な彼女でございます。もう、この娘はどうしてこんなに濃いのかしらん。どちらかと言えば苦虫を噛み潰したような表情ばかりを浮かべる連中が多い本作の中で、それらの効果を打ち消すほどの勢いで笑顔と希望を振りまく彼女がたまらなく素敵。やっぱこういうキャラが1人いるのといないのとでは全然作品全体の雰囲気が変わるね。現在の彼女の圧倒的な人気も頷けます。

 アートに関しては今回結構ばらつきがあったもののカラリストが比較的統一されているおかげかそれほど違和感はなく。 Mico Suayan の手がけるカバーがとりわけ見応えがあった。そのうち彼女インテリアの方もやらないかな。

 さて、そんなこんなでようやく主要メンバーも揃えば黒と青のユニフォームも身につけて。少なくとも形はチームとして組み上がった反抗児達。彼らを率いる Peter が今後どのように Harada へ立ち向かっていくのか注目していきたいところ。

 ただ Harada のヴィジョンも全部が全部悪とも思えないので、願わくばこの2人の対決は単なる能力のぶつかり合い以上のちゃんとした議論に発展してほしい。


Harbinger (2012- ) #7: Digital Exclusives Edition


Harbinger (2012- ) #8: Digital Exclusives Edition


Harbinger (2012- ) #9: Digital Exclusives Edition


Harbinger (2012- ) #10: Digital Exclusives Edition