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実は教材として優秀!英語を学ぶ人がアメコミを読むべき4の理由


(Amazing Spider-Man (1999-2013) #661)


 アメコミを読んでいるそこの君も、アメコミを読んでいないそこのあなたも。
 こんな風に思ったことはないだろうか?

「今は翻訳版で読んでるけど、できればアメコミは原書で読みたい!」
「最初からペーパーバックってのはハードルが高いし、かといってこの齢で絵本はなあ…」
「アメコミって英語の教材に使えないのかな…?」

 できる。できるぞ。
 
 はい、ということで今回はアメコミがいかに英語を学ぶのに優秀な教材であるかということをアピールし、少しでも原書読者を増やそうという試みでござい。

会話が豊富
 基本的にコミックは会話で物語が進んでいくため、自然な英会話を学ぶのには最適な教材。ネイティブの自然な言い回しや、ウィットに富んだジョークなど、英語によるコミュニケーションを最短で身につけられる。多少知らない単語があっても、絵から文脈を理解し、そこから逆算して言葉の意味を学ぶことも可能だ。
 スパイダーマンなんて戦闘中やたらと喋るものだから敵に「あいつを黙らせろ!」と言われるほど会話だらけ。ヒーローの活躍にドキドキしながら気が付けば英会話ができるようになっているなんて最高じゃないか。


(Nuff Said)

いつでもどこでも
 実際に手にとってみたことのある人はわかる通り、一般的なアメコミの最小単位である「リーフ」と呼ばれるものは、ページ数にして20ページ前後、大きさもA4サイズより一回り小さいくらいだ。
 そもそも子供がズボンの尻ポケットに丸めて突っ込み持ち歩けることを想定したアメコミは、持ち運ぶのにはピッタリの教材。かくいう筆者も学生時代には教科書の間に挟んだりして通学時にPeter Parker: Spider-man誌を読みふけっていた。

 勿論、今の時代なら電子書籍としてスマホやタブレットでアメコミを読むことも十分可能。Amazonのキンドルをはじめ、電子コミックの最大手Comixology、または月$9.99という破格の値段でマーベル作品が読み放題のMarvel Unlimitedなど選択肢も豊富だ。
 アメコミは通勤通学時のスキマ時間にも英語を勉強できる最高の教材といえる。

 なお、ペラペラな本では気合が入らないという、ちょっと特殊なあなたもご安心を。最近は広辞苑よりでかい鈍器サイズの合本が続々と刊行されています。


(DC Essentials Catalog 2018 (DC Comics Essentials))

意外と文法はしっかりしている
 ネットを渡り歩いていると、たまに「アメコミは文章がくだけすぎていて、『ちゃんとした英語』を学ぶのには適さない」という意見も目にすることがある。
 だがそんなことはない。
 アメコミは子供から大人まで誰もが楽しめることを意識しているため、下手な雑誌やペーパーバックなどよりは余程「ちゃんとした英語」なのだ。
 そもそも、アメコミのライターにはSANDMANのNeil GaimanやBLACK PANTHERのTa-Nehisi Coatesなど、小説家としても高い評価を得ている人物も少なくない。
 キャラクターに教養がないことを強調したり、あるいは訛りを表現する上での演出として、文法やスペリングを敢えて間違えることもないではないが、それはごく一部の例外。
 大体、ジャーナリストや王様という肩書を持つヒーロー達が文法の誤った台詞を口にしちゃカッコ悪いじゃない。

初心者から上級者まで
 アメコミは誰でも読める内容のものから完全に大人向けへ振り切っているものまで多種多様。英語の難易度に関しても同じで、言葉を覚えたばかりの子供でも読めるものもあれば、日本語に訳しても相当の読解力が要されるものもある。アメコミの名作と謳われることも多いWATCHMENを著したAlan Mooreも、実はかなり凝った英語を好み、読者側の能力が試される作品が多い。


(Watchmen: International Edition)

 しかし、それは逆を返せば自分の現在の英語力に合わせて読む内容を自由に変えることができるということ。
 特にマーベルなど大手出版社では子供向けや大人向けといった区分が比較的しっかりと分かれており、アイアンマンやスパイダーマンなど単独のキャラクターで絞っても難易度をある程度調節できる。
 ライバル社であるDCも最近、新たに若い読者のための「DC ZOOM」、大人のため「BLACK LABEL」という新たなラインナップを2つ作ることを発表し、話題になったばかりだ。
 自分の現状にピッタリの作品を探しながら学ぶのも1つの面白さだろう。


Mera - Aquamanの妻Meraにスポットを当てた「DC ZOOM」から刊行予定の1冊。


 さて、以上がアメコミこそ最高の英語教材である4つの理由だったが、いかがだっただろうか?
 トニー・スタークやブルース・ウェインと一緒なら、英検やTOEICの勉強も頑張れるような気がしてきたんじゃないだろうか。

 近日、英語の学習に最適だと思われるコミックをレベル別に記事にしようと思うので、乞うご期待!


(Avengers Academy #39 (Avengers Academy Vol. 1))

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