VISUAL BULLETS

アメコミをはじめとした海外コミックの作品紹介や感想記事などをお届け

LEAP OF FAITH: 2018年7月号 IMAGE他編

  各出版社が毎月出す3ヶ月後の刊行予定リストを元に、その中からこれはと思う作品について独断と偏見と少しばかりの経験で期待や予想なんかを語ってみる新連載『 LEAP OF FAITH 』。
 月の中旬は各社一斉に近刊リストを出すのでこのコラムも連日やることになる。
 
 3回目となる今回はDC,マーベル以外から2018年7月発売する予定の作品をさっくり見てこうかと。なお、DARK HORSEだけはまだ近刊リストが出ていないので発表次第更新予定。

近刊リストのリンクは全てNEWSARAMAから。

IMAGE

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FARMHAND #1

 遺体を食べて捜査を行うというとんでもない刑事の活躍を描いた『CHEW』のRob Guilloryが送る新シリーズ。
 代替医療用臓器の栽培農場を舞台に、農場主と土から出てきた謎の存在(ゾンビ?)の対決を描くSFホラーコメディ。相変わらずぶっ飛んだ設定が興味を唆る。この手のコミックはリーフで買うか合本で買うか非常に迷うところ。

UNNATURAL #1

 イタリアのヒット作を英訳。”普通でない”ことを厳しく取り締まるケモノ系ディストピア世界を舞台に、夢見る豚の少女が奮闘する話とか。私自身は別にケモナーではないものの、作者のMirka Andolfoの絵は以前『WONDER WOMAN』で目にしたが、キュートな女性を描くのが上手いので興味はある。

APHRODITE V #1

 以前から予告されていたトップ・カウ レーベルの最新作。
 前作『APHRODITE IX』シリーズから時代を大きく遡る本作は、主人であるCDI社に反旗を翻したサイボーグ兵の逃走劇になるみたい。最近新シリーズが始まった『CYBERFORCE』のスピンオフに近い位置づけか。
 DCの『MICHAEL CRAY』も書いているBryan Hillがライターになるため、スピーディなSFアクションが期待できそう。


DYNAMITE ENTERTAINMENT

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PROJECT SUPERPOWERS #0

 大人の事情で著作権切れとなり、いわゆる”パブリック・ドメイン入り”していたスーパーヒーローを現代に蘇らせたシリーズ。各々のヒーローにスポットライトを当てたスピンオフはちょいちょいミニシリーズが出ていたが、今回ようやくメインタイトルが復活。
 ちなみに赤と青のコスチュームを身に纏うデス・デファイング・デビルはかつて”デアデビル”という名で通っていたが、マーベルの同名キャラと被るため今の名前になったという経緯がある。
 新シリーズ開幕に合わせ、Alex Rossらによる過去の合本も出るよう。

JAMES BOND: CASE FILES VOL.1

 ここ数年刊行されるようになったコミック版ジェームズ・ボンド。今回の合本には1話完結の単独誌やマニーペニーのスピンオフやらが含まれる模様。Kieron GillenとJamie McKelvieによる短編などは高い評価を得ているので、この機会にまとめて買うというのもありかも。


AFTERSHOCK COMICS

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CLANKILLERS #1

 古代のアイルランドで部族間闘争にうんざりしたとある部族長の娘が、友人と共に(自分の父親含めた)全部族を殲滅する旅に出る新シリーズ。キック・アスのようなノリになるみたい。
 この出版社から出る作品はどれも中々クオリティが高いので本作も期待できるかもしれない。

RELAY #1

 星々が”ギャラクティック・リレイ”と呼ばれる謎のモノリスで結ばれるようになった未来。大使として働く男が偶然にもモノリスの作り手と出会ったことからそれまでの価値観を大きく揺さぶられるという内容の古典SF風作品。
 ストーリーの一部にDonny Catesが携わっている。同じAFTERSHOCKから出ているBABYTEETH含めて今月の近刊リストだけで5、6回名前が登場してる彼だが、これだけのストーリーを手がけながらどれも高い評価を受けているという手腕は見事。


BOOM! STUDIOS

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JIME HENSON’S BENEATH THE DARK CRYSTAL

 セサミ・ストリートやマペッツを生んだジム・ヘンソンによるダークファンタジー映画『ダーク・クリスタル』の続編コミック。先の2つより国内では知名度こそ劣るものの、海外では人気が高くちょいちょいこうしてコミックが出る。

BONE PARISH #1

 マーベルでX-MENなどを手がけているCullen Bunnによる新作。死者の灰から作られる新ドラッグを巡り、売人達の間で抗争が起きる中、使用者にも異変が起こり始めるというホラー。


 以上が今月のインデペンデント系作品。
 正直このへんになると個人的な好みとかも出てきて全部はカバーできないため、是非ともリンクから一覧を眺めて自分にぴったりの作品を探して頂ければこれ幸い。

 では、取り敢えず今月の『LEAP OF FAITH』はこんなところで!来月は少し体裁とか変わるかもしれないのでよろしくお願いしまーす。